全知全能のさとりちゃんは、SNSで「死」を食べる
あらすじ
『悩み相談。DM開放。アナタの絶望、頂きます』
公衆電話の闇に住み、問いに答える妖怪「さとるくん」。 その親戚である「さとりちゃん」は、時代の移り変わりとともに、新たな住処をSNSの深淵へと移していた。 獲物の背後に回り、肥大化した絶望を喰らう【絶望喰い】。 それが、彼女が現代で存在を維持するための手段だった。 一方、週刊誌の記者として汚れ仕事に手を染める「神無月心音(かんなづき しおん)」は、良心の呵責に蝕まれ、自らの心さえ枯らし尽くしていた。 ある日、自暴自棄な思いからさとりちゃんのアカウントへメッセージを送ると、即座に返信が届く。
――『了解。今、後ろにいくね』
だが、さとりちゃんが直面したのは、絶望することさえ忘れた「空っぽ」の心だった。 捕食に失敗したさとりちゃんは、呪いによって心音に憑依したまま縛られ、半径2メートルの運命共同体となってしまう。 気だるげで可憐な人外の少女との、不意に始まった危険で淫らな共同生活。 読心によって暴かれる本音、魔力回復のために重ねる肌――。 絶望を喰らう少女と、心を捨てた男の、歪な「共犯関係」が始まる。