私を殺しに来た暗殺者が、記憶喪失のふりをして溺愛してくる
あらすじ
王太子妃候補に名が挙がったことで、政敵から疎まれるようになった公爵令嬢エリーゼ・ヴィルヘルム。
ある夜、彼女の寝室に黒髪赤目の暗殺者が現れる。 殺される。 そう思ったエリーゼだったが、彼の腕に傷があることに気づき、思わず問いかけてしまう。
「……怪我を、しているの?」
その一言で、暗殺者の中の何かが壊れた。
本来なら逃げられたはずの男は、なぜか自ら捕らえられることを選ぶ。 地下牢で目を覚ました彼は、名前も依頼主も何も覚えていないと言い張った。
ただひとつ、エリーゼのことだけを覚えている、と。
「あなたを守らなければならないと、それだけは」
公爵家は、暗殺者を黒幕へ辿り着くための証拠として生かすことにする。 だが、記憶を失ったはずの男は、エリーゼにだけ異様に懐き、従順に振る舞い始める。
優しい公爵令嬢と、彼女を殺しに来たはずの暗殺者。 けれど彼は、本当に記憶を失っているのだろうか。
これは、記憶喪失のふりをした暗殺者が、殺すはずだった令嬢に名前を与えられ、勝手に首輪をつけられたと思い込む話。