母の秘密基地
あらすじ
築十年ほどの市営団地。そこにはかつて、昭和の面影を色濃く残した古い市営住宅が立ち並んでいた。住人たちが勝手に敷地を拡張し、小屋や車庫を建ててもお咎めなしだった、どこか大らかな、あるいは忘れ去られたような僻地の記憶。
俺には、五歳上の姉がいる。姉が免許を取った際、父が勝手に建て替えたガレージ兼物置小屋。畳が敷かれ、窓が一つあるだけのその密室は、夏は蒸し風呂、冬は極寒という環境ゆえに、家族の誰も寄り付かない。そこは今、ある女と俺だけの秘密の場所となっていた。
その女を俺は、ハルと呼んでいた。 ある日、姉が外出中であることを確認した俺は、鍵のかかった物置小屋のドアを叩く。中には、姉の学生時代の体操着一式を着込んだハルの姿があった。姉の忘れ物を取りに帰ってくるというハプニングに肝を冷やしながらも、二人は狭いこたつの上で、外の世界では決して許されない行為に耽っていく。
ハルは、俺よりもずっと人生を重ね、熟れた肉体を持っていた。しかし、この密室で姉の古い衣類を身にまとう彼女は、まるで同級生のような幼さと初々しさを見せる。俺は彼女の身体の隅々を愛撫し、禁断の境界線を越えていく。
ハルの正体は****であった。
「この部屋の中ではただの女になる」 それが、歪んだ愛情を抱いた俺に彼女が提示した、唯一の、そしてあまりに脆い約束。 背徳の香りが充満する中、二人はさらに深い泥沼へと足を踏み入れていく――。