【完結】傾国のアルファ騎士に裏切られ続けた番のオメガ~捨てられない愛と、妊娠して選んだ決別~
あらすじ
彼の身体から、知らない香水の匂いがした。 ヴェイディル・アーシュロンド――王国で最も美しいと称される騎士。 わたしの運命の番。 そして、わたしを何度も裏切る男。 「愛してる」と囁きながら、昨夜は誰と寝た? 首筋の痣は、誰につけられた? シャツに残る甘い香りは、誰のもの? 騎士団の後方支援として働くわたし――エリディス・カルヴェインは、すべて知っていた。 番であるヴェイディルが、女も男も節操なく抱いていることを。 でも、言えなかった。問い詰められなかった。 だって、彼はあまりにも美しくて。 わたしがあまりにも臆病で。 「お前だけだ」と言いながら、彼は今夜も誰かの元へ行く。 帰ってきて、何事もなかったようにわたしを抱く。 番の絆がある限り、わたしの身体は彼を拒めない。 ――これが、愛なのか? 子どもができたことを告げた後も、彼は別の誰かの匂いをまとって帰ってきた。 ――ああ、もう無理だ。 わたしは静かに荷物をまとめた。 涙も出なかった。 ただ、心が冷えていくのを感じた。 「さようなら、ヴェイディル」
健気すぎたオメガが、美しすぎる騎士を見限った夜。 彼は初めて、本当の「喪失」を知る――
※この作品は、裏切られ続けた番の視点で描く、贖罪と再生の物語です。 ※甘い展開だけを求める方には向きません。 ※「許す」ことと「一緒にいる」ことは、必ずしも同じではありません。