記憶喪失の悪女は、暴君海運王の執愛に溺れる ~復讐婚のはずなのに、溺愛が止まりません~
「お前の面倒は俺が見る。それだけだ」海に落ちて記憶を失くした令嬢リゼ(21)。以前の彼女は〝氷薔薇の悪女〟と呼ばれ、社交界中から憎まれていたらしい。 海神に魅入られた不吉な存在とされ、結婚が絶望的になったリゼに、求婚した男がいた。冷酷無比と…
あらすじ
「お前の面倒は俺が見る。それだけだ」海に落ちて記憶を失くした令嬢リゼ(21)。以前の彼女は〝氷薔薇の悪女〟と呼ばれ、社交界中から憎まれていたらしい。 海神に魅入られた不吉な存在とされ、結婚が絶望的になったリゼに、求婚した男がいた。冷酷無比と恐れられる〝北海の暴君〟ヴァルセイン公爵・マクシム(30)——敵対する家門の当主。送りつけられた海硝子の婚約指輪。これは復讐のための結婚だと、誰もが囁いた。 (怖い。……なのに、どうして) マクシムの手は壊れ物を扱うように優しく、命令の言葉には不器用な気遣いが滲む。記憶のない不吉な悪女を、この人はなぜこんなにも大切にするの? 悪女と呼ばれた理由も、海に落ちた本当の理由も、何ひとつ思い出せない。けれど身体は、彼の温もりを求めていく——。 やがて明かされる、両家にまつわる三十年の嘘。塗り替えられた汚名。そして、記憶を失くす前から続いていた、二人の想い。 「誰が何を言おうと、俺はお前を愛している」 月が欠け再び満ちていくように、失くした恋をもう一度。今度は甘く、深く、溺れるほどに。