聖銀竜に喰われる夜――冷酷な宰相閣下は、禁書庫の司書を執愛の檻に囚える
あらすじ
「逃がさない。その賢しい口も、奥の震えも――すべて、私のものだ」
王宮の禁書庫に籠もる司書ルネには、誰にも言えない秘密がある。それは宰相ゼファールに、夜ごと愛人として抱かれていること。 情欲が昂ると竜へと変じる、人ならざる男。彼の真の目的は、ルネが修復する禁書に記された「竜の血統の秘密」だと知りながら、ルネは抗えぬ快楽に溺れていく。
愛されてはいない——そう、ルネは信じていた。 ただ、数多の愛人のひとりとして抱かれているだけ。 だが限界は訪れる。 「愛人のままではいられない」ルネは自ら、関係を断ち切る。
拒絶されたゼファールの執着が、静かに狂い始める。折しも、秘密を狙う政敵の陰謀が動き出し、国王は彼に冷酷な命を下した。 「その娘を妻という名の檻に入れよ。従わねば、殺せ」 愛ではなく、管理のための結婚。
ルネを守るためには、人であることを捨てようとするゼファール。 それでもルネは選ぶ。 囲われるだけの女ではなく、竜を人の世界に繋ぎ止める者として。 禁断の血に翻弄される二人が、陰謀渦巻く宮廷で「真の契り」を交わすまでの物語。