悪虐令息と悪辣令息
あらすじ
母が死んでから、周りには乳母しかいなかった。公爵家に生まれたはずなのに、いつでも腹が減っていた。広い公爵邸では父と義母と兄が幸せに暮らし、嫡男である俺は、離れで放置されていた。 誘拐され、身代金を払って貰えず、奴隷に落とされるところだった俺は、隙を見て人攫いから逃げ出し、暴行でボロボロになった身体を引き摺りながら街の裏路地を逃げていた。力尽きて諦めかけた時、水色の髪の平民の子供に助けられてから、俺はその子供のことが忘れられなかった。 牢獄のような家に戻ってきてから、俺はその子供だけを心の支えとして、毎日必死で生きてきた。 表向きは怠惰で最低な公爵家の嫡男として学園に入学。入学してみると、俺は何故か兄に辛辣に当たる公爵家の「悪辣令息」と呼ばれていた。そして、入学式で見掛けた、まるであの時の子供のような髪色の人は、「悪虐令息」と呼ばれており……
てんつぶ様主催の「悪役令息アンソロジー」に寄稿させていただいた作品です。 数話で終わる短編。シリアスなので、苦手な方は自衛くださいますようお願い申しあげます。