道具屋の奥方様は見えない、感じない、霊力なしですが、彼の愛が重すぎてそんなことは些細なものです
あらすじ
櫻田菜々子(31)は周りが結婚して行く中、取り残されていた。その年になるまで彼氏などできた事などない。そのため、処女歴を更新していた。勿論、出会いを求めてマッチングアプリなどをしようとしたが、地味な自分に自信が持てず、できなかった。そんなある日、菜々子は出会ったのだ。顔にお面をつけた着物姿の男、鷹司陽介と……。初めは彼が落としたハンカチを拾っただけだった。それなのに、彼から手を掴まれてお願いされたのだ。「俺の童貞をもらってください」と……。勿論、断ろうとした。断ろうとしたが、菜々子は処女を捨てるチャンスだと思ってしまったのだ。そのため、彼のお願いを受ける事にしたのだが、その選択が彼女の人生を180度変える事になるなど思いもよらなかった。実は彼の職業はお祓いの道具を作る道具屋で彼がつけているお面は霊力をおさえているものだった。何故なら、彼は霊力が生まれつき高すぎて、そのせいで人から嫌悪されたり、恐怖されるため、人と接することができなかったのだ。その中で唯一、陽介と接触できるのが菜々子だった。何故なら、菜々子は霊力が全くないためだ。そのおかげで、彼に対して嫌悪感や恐怖感など全くない。彼に触れる事もできるし、会話も普通にできる。だが、そのせいで陽介から日を追うごとに向けられ始めたのは重い愛だった。そして、彼の式神達からは何故か「奥方様」と呼ばれはじめた。「俺の童貞をもらってください」から始まったのに、「俺の人生をもらってください」になるなんて……誰が思う? 処女をもらって欲しいだけだったのに……。