二次元しか愛せない清楚な受付嬢は、なにわナンバーの執着ヤンキーに身も心も上書きされる
あらすじ
「欲しいもんがあるなら、札束で黙らせるのが一番早い」
中卒で建設現場に飛び込み、会社を立ち上げた佐竹葵。 銀行員に舐められた過去を糧に、なにわナンバーのアルファードを現金一括で買い、甘ったるいアンバーの香水を鎧のように纏って、彼は「力」を証明し続けてきた。
そんな葵が、ある飲み会で一人の女に目を奪われる。 香坂雪姫。 自分とは正反対の、石鹸の匂いがしそうな白い肌と、高嶺の花の微笑み。 だが、その完璧な女が、実はスマホの中の「二次元の男」に全財産を注ぎ込み、生活を破綻させている重度の課金兵だと知るのに時間はかからなかった。
「……なんやそれ。俺より、その赤い目の男の方がええんか」
葵は、彼女の窮状を嗅ぎつける。 飯も食わず、睡眠を削り、画面の中の理想に跪く彼女の生活に、強引に「現実」をねじ込むことに決めた。
「俺を財布にしろ。足に使え。その代わり、俺の隣におれ」
利用されているのは百も承知。彼女の視線の先に自分がいないことも分かっている。 それでも、札束でも車でもなびかない彼女を、いつか「俺」という人間で黙らせてやりたい。 これは、成金社長が初めて「金で買えない心」を奪いに行く、不器用で傲慢な、泥臭い純愛(?)の記録。