【完結】獣王の花嫁
あらすじ
小国カントレアの王女アイラは、隣国の「獣王」ギルガによる凄惨な侵攻によって一夜にしてすべてを失う。亡き両親の傍らで自害を図るアイラを救ったのは、略奪者であるギルガその人だった。十六歳の彼女は「戦利品」として連れ去られ、その夜、無骨で獰猛な王に身も心も蹂躙される。 しかし、恐怖と羞恥に震えるアイラが知ったのは、ギルガが簒奪者の汚名を着てまで守ろうとした真実だった。亡き姉・レイラの生存と、前王の腐敗を正そうとする彼の孤独な志。不器用な愛に触れたアイラは、自らも彼を支える「賢人」となるべく、力を蓄えるために一度は彼の元を去る決意をする。 離別から四年。二十歳となり、為政者としての美しさと知略を備えたアイラは、国境で自分を待つ壮麗な軍勢を目の当たりにする。そこにいたのは、牙を隠し、民に慕われる「賢王」へと成長したギルガだった。 「俺の后は、お前以外にいない」 四年の渇愛を埋めるため、猛り狂う獣の理性が今、最愛の妃の前で静かに崩れ去る――。