レンタルビデオのキミ -レイプものAVばかり借りていくカノジョ-
あらすじ
レンタルビデオ。 サブスク全盛の現在、店舗数は最盛期の1/5程度まで激減していると言われている。 だけどまだ消滅してはいない。 だからそこで働く人間はまだ存在している。僕もその一人だ。 とはいえ今のままのペースで閉店が増えれば10年も持たずに消え去ってはしまうだろうと考えられているらしい。もう数年もすれば子供の頃から通っていたこの店だって潰れてなくなってしまうのかも知れない。 そうでなくったって昔はDVDを満載した棚が死ぬほどあったのに、今ではレンタルコミックやトレカのショーケースに圧されて徐々に徐々に減少して行く一方だ。 店の前にソフトが消えてしまうかもしれない。
だけどまだ、消滅していない。
子供の頃に親とアニメを借りに毎週やって来た店。親的には本屋が本体でビデオ屋は付属サービスという認識があったみたいだけれど、僕にとってはテレビでは見られない映像が見られる空間だった。 中学に上がって友人らとホラービデオを借りて騒ぎながら観た。僕本人は会員ではなかったから借りられる奴のカードを使って、夜遅くまで遊んでいても怒られない奴の家でビデオを見終えたあと日付が変わるまでダラダラとして。
でもそれきりだった。
今や話題の新作はサブスクと連携しているし、ビデオ屋にも並ばないようなマニアックな旧作も定額の範囲で見られる可能性の方が高い。 コンビニほどハードではなく、夜遅くまでやっている割には12時前に閉まるから徹夜の必要もない。 だから数年ぶりに訪れたビデオ屋は、僕にとっては気楽に働く場所でしかなかった。
だけど潰れていないのだから、まだ客はいる。 昔の僕のような子供を連れた家族連れに仕事終わりの労働者。カップル。
そんな中に、カノジョがいた。 毎日のようにやってきては1本ずつビデオを借りていく、カノジョ。 いつもどこかに絆創膏を貼っていて、顔立ちは整っているのに、表情は明るいのに、でもその瞳にはどこか深淵を引きずっているような、美しい蓮が咲き誇る森の中の小さな沼地のような、カノジョ。
会員情報では18は越えている。けれど女子校生の格好をして、そしてAVを借りていくカノジョ。 いつもレイプモノのAVばかりを借りていく、あのオンナノコ。
今日もカノジョは閉店ギリギリにやってきて、僕にそのタイトルを見せつけて。