あらすじ
「……あの指で、ぐちゃぐちゃに掻き乱されたい……」
「カノンにそこまで評価されてるなんて、光栄だな」
——よりにもよって、本人に聞かれた。
魔導局の記録官カノンには、五年間ずっと見ないふりをしてきたものがある。
同期で実行官のリヒトの、長くて節のきれいな指。
学院時代から毎日のように口喧嘩してきた相手に、
「実はあなたの指がずっと気になっている」なんて、言えるはずがなかった。
けれど、式典の夜、酒の勢いで漏れた本音を本人に拾われて、五年間の均衡はあっさり崩れる。
きれいすぎる指に、抗えなかった。
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